加齢による歯の黄ばみを解消!黄ばみの原因と4つの対処方法を解説
歯の黄ばみが気になる
「最近歯が黄色っぽくなってきたけど、気のせいなのかな…?」
「歯の汚れが歯ブラシでとれない!」
磨いても落ちない歯の黄ばみや変色、起こっていませんか?もしかしたら加齢によるものかもしれません。年齢と共にほうれい線が濃くなったり、お肌のハリがなくなってきたりするように、歯も老化していきます。
歯の変色、あなたの歯はどんな色?
内因性・外因性ではそれぞれどんな変色がおこるのでしょうか?
内因性による変色…歯の神経の壊死やテトラサイクリンは灰色みがかった変色を起こします。
また、加齢による歯の変色はエナメル質が薄くなったことや象牙質の色が濃くなることが原因なので、黄色~オレンジの色合いに変色します。
外因性による変色…はじめは黄ばみ程度でも、着色が蓄積されていくと茶色っぽく変色していきます。黄ばみ程度ならば、セルフケアで歯本来の白さへと戻せる場合もありますが、茶色に近くなってしまうと難しく、歯科医院でのクリーニングを受けないと落とせない場合があります。
また、虫歯による歯の神経の壊疽が原因の変色も同様で、濃い色に変色します(虫歯が深く進行し神経まで到達すると、神経が死んで灰色に変色することがあります)。
加齢によって歯が黄ばんで見える原因は歯の性質にあった!
画像は奥歯8番(親知らず)の断面図です。
歯の構造は、中心に神経があり、その周りを象牙質が覆っています。生えたての歯の象牙質は薄い黄色をしていますが、肌の老化と同じで新陳代謝により濃くなっていきます。
象牙質を覆っているのがエナメル質です。日々、食べ物を噛んだり、すり潰したりしているので、年齢とともに擦り減り、薄くなってくる傾向があります。
また、エナメル質は一定の厚さではなく、薄い部分と厚い部分があります。
噛む面(咬合面)や薄い部分などから擦り減り、内側の象牙質が露出してくると、黄ばんで見えてきてしまいます。
加齢による歯の黄ばみは、エナメル質が薄くなり、年月を経て色が濃くなった象牙質が透けて見えることが主な原因だと考えられます。
加齢による歯の黄ばみへの対処法はこの4つ
加齢による変色はセルフケアで本来の歯の色取り戻すことは難しいです。では、どんな対処法があるのでしょうか。その場合の対処法として4つの方法をご紹介します。
(1)ホワイトニング
ホワイトニングは漂白作用をもつ成分が歯質の有色物質を分解することで白くさせます。
専用の薬剤を歯の表面に塗り、表面のエナメル質から徐々に入り込むことで、象牙質への漂白作用が起こります。
痛みが発生することがあるのは歯の内部へと漂白作用が起こっているからです。
歯科医院で行うものと、家で行うものがあります。
(2)ラミネートベニア
ラミネートベニアは表側から見える表面を0.5mmほど削り、薄いセラミックを貼り付けることで、歯を白く見せる治療方法です。
歯の裏側には適用できず、前歯の表面の変色が気になる方や短期間できれいにしたい方、ホワイトニングで効果が得られなかった場合などに適用されることがあります。
(3)ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは治療したい歯の一部分を削り、プラスチックを詰めてし、光で固めて行う治療方法です。
ラミネートベニアでは歯の表面だけという指定があるのですが、こちらは表面に限らず適用できます。「部分的な変色」の場合適用しやすい治療法です。
奥歯などの強い力のかかる部位や、治療する面積が広すぎると行えないため、歯科医師との相談が必要です。
(4)セラミッククラウン
セラミッククラウンは歯の全周を削って形を整え、セラミックでできた被せ物を歯に被せることで白く見せる治療方法です。
歯を丸ごと一本白く見せたい場合などに適用します。
本記事の内容は患者さんのお口の状況で歯科医院の対応が変わる可能性があります。気になることがあれば、直接歯科医院にお問い合わせ下さい。
記事監修:歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加。
歯が黄ばむ原因は?変色の種類は2つあった!
歯の変色には内側から変色する内因性のものと、外側からの着色による外因性のものの2種類が考えられます。
内因性…歯の内側から起こる変色です。
・外傷などで歯の中の神経が壊死している場合
・子どもの頃に服用した抗生物質(テトラサイクリン)の副作用による場合
・加齢による歯質の変化
外因性…食べ物による着色など歯の表面から起こる変色です。
・タバコやコーヒー、お茶などによる着色
・虫歯の進行(歯の神経の壊疽)による変色
・金属の被せ物による着色