エアフローで歯をピカピカに!メリットやデメリット、料金を解説
歯をクリーニングする方法の一つに「エアフロー」という施術があります。名称を聞いたことがあっても、エアフローの特徴や得られる効果を知らない方は多いと思います。
エアフローはどのような人におすすめのクリーニング方法なのか、メリット・デメリットは何か、施術料金はいくらか、といった疑問点を本記事で解説します。
エアフローとは歯をクリーニングする方法の一つ
エアフローは、歯科医院で行なわれる歯のクリーニング方法の一つです。専用の機器を使って歯をきれいにしていきます。
主な特徴は機器の先端から非常に細かいパウダー粒子がジェット水流で噴射されることです。パウダー粒子は炭酸水素ナトリウムやグリシンからなり、歯の表面にパウダー粒子・水・エアーを勢いよく吹き付けることで、着色汚れや歯垢などを効率的に除去します。
エアフローは歯の見た目をきれいにしてくれるだけでなく、虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。
エアフローと通常のクリーニングの違い
一般的な歯のクリーニングは「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」とよばれるもので、スケーラーという器具を使って歯石を剥がしたり、ブラシやラバーカップを使って歯面清掃を行ったりします。歯面清掃では、研磨剤を配合したペーストなどが用いられるため、わずかながら歯の表面のエナメル質が摩耗する場合もあります。
エナメル質は歯を保護している組織で、エナメル質が失われると虫歯や知覚過敏になりやすくなる問題などが生じます。
一方、パウダー粒子を噴射して汚れを落としていくエアフローは、歯の表面を傷つけにくく歯をクリーニングできることが特徴です。
エアフローのメリット
エアフローを使った歯のクリーニングは、以下のようなメリットがあります。
早期の歯石や着色汚れを除去できる
エアフローは歯と歯の間や歯と歯茎の境目など、セルフケアで落としきれない汚れ、歯石、頑固な着色汚れを効率的に除去できます。
また、詰め物・被せ物、インプラント、矯正装置の周りなど、歯磨きしにくい部分にある汚れも落とすことができます。
汚れを落としにくい部分も綺麗にできる
歯の咬合面の溝・歯と歯の間・歯並びが乱れている部分・被せ物の縁・インプラントと歯周組織の間の溝・矯正装置の周りなどは、歯磨きで汚れが落とせていないことがあります。
汚れを落としにくい部分も、短時間で効率的にきれいにできるのがエアフローのメリットです。
歯や詰め物、被せ物を傷つけにくい
エアフローは、研磨剤を使用しないクリーニング方法で、金属機器を歯に直接当てることもありません。このため、侵襲性をおさえてやさしく歯をクリーニングでき、天然歯はもちろん、詰め物・被せ物も傷つけにくいです。
短時間で汚れを取り除ける
非常に細かいパウダー粒子が、広範囲にジェット水流で噴射されます。高圧洗浄機のようなイメージで、通常のクリーニング方法よりも短時間で汚れを取り除けることが特徴です。一般的には5分〜10分、長くても30分程度で歯全体をクリーニングできます。
着色汚れが付きにくくなる
エアフローを行なった後は、歯面がツルツルと滑らかになるため、歯垢や着色汚れが付着しにくい状態を一定期間維持できます。
エアフローのデメリット
さまざまなメリットのあるエアフローですが、以下のようなデメリットがある点も理解しておきましょう。
公的医療保険が適用されない
多くの歯科医院では、エアフローによるクリーニングは自費診療の扱いにしています。
定期検診や歯周病治療の一環としてエアフローを用い、健康保険の範囲で使用している歯科医院もあります。一度確認されると良いと思います。
利用できない方もいる
以下のような症状・健康状態に該当する方は、エアフローを受けられません。持病が悪化したり、新たな病気を発症したりする恐れがあるためです。エアフローを受ける前に、歯科医師・歯科衛生士に必ず相談しましょう。
- 呼吸器系疾患がある方
- 重篤な消化器官潰瘍がある方
- 腎臓障害がある方
- 心機能障害がある方
- 肺機能障害がある方
- 放射線治療中の方
- 重度の歯周病にかかっている方
- 妊娠中・授乳中の方
- 口腔内に外傷などがある方
- 口腔粘膜に炎症を起こしやすい方
- 虚弱・過敏性体質の方
- ナトリウム摂取制限を必要とする方
- 塩化セチルピリジニウム(CPC)やエリスリトールにアレルギーがある方
歯を白くするものではない
エアフローによって着色汚れを落とすと歯の見た目がきれいになるケースもあります。しかしながら、エアフローで歯の色を白くできるわけではありません。歯自体を白くしたい場合は、ホワイトニングがおすすめです。
エアフローがおすすめの方
以下に当てはまる方は、エアフローで歯をクリーニングをすることで、歯の見た目を改善できたり、お口の健康維持につながったりと、効果を実感しやすいといえます。
歯と歯の間の汚れ・着色汚れを落としたい方
コーヒー・紅茶・赤ワイン・色の濃い食べ物などを好む方や、タバコを吸う方など、着色汚れを落としたい方にもエアフローはおすすめです。細かい頑固な着色汚れも落とすことができます。
歯周ポケットがある方
エアフローは、歯周ポケット(4mm以下)内に当てても問題がなく、歯周組織を傷つけずにクリーニングすることができます。そのため、歯周病の改善を目指す方にもおすすめです。
矯正治療中の方
特にワイヤー矯正を行なっている場合、矯正装置の周りには汚れが溜まりやすくなります。エアフローを用いれば、矯正装置や歯を傷つけることなくクリーニングでき、虫歯や歯周病予防につながります。
インプラントを入れている方
人工歯や金属のネジで構成されているインプラントは、通常のクリーニングできれいにするには高い技術力が必要です。一方エアフローであれば、人工歯や金属の部分も隅々までクリーニングできます。
詰め物や被せ物がある方
詰め物・被せ物と天然歯の境目などは汚れが溜まりやすく、虫歯が再発するリスクがあります。通常のクリーニングでは詰め物・被せ物を傷つけてしまう恐れがありますが、エアフローはほとんど傷つけることなくクリーニング可能です。
エアフローの料金
エアフローで上下の歯全体をクリーニングする場合、料金の目安は3,000円〜6,000円です。これは自費診療の料金目安であり、歯科医院によって料金設定は異なります。
2024年8月 株式会社メディカルネット調べ
エアフローにかかった料金は医療費控除の対象になる?
医療費控除は、所得控除の一種です。1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定の基準(主に10万円)を超える場合、所得税・住民税の支払いの軽減や還付が受けられます。 確定申告時に申請を行う必要があります。
エアフローにかかった料金に関しては、医療費控除の対象になる場合とならない場合があります。ポイントは、エアフローの目的が治療かどうかです。
「歯の見た目をきれいにしたい」「虫歯や歯周病を予防したい」など、エアフローの目的が審美の場合には、医療費控除の対象になりません。
一方で、歯周病の治療を目的としてエアフローを受けた場合には、医療費控除の対象になります。
まとめ
エアフローは、歯をクリーニングする方法の一つです。早期の歯石や着色汚れを効率的に除去でき、汚れを落としにくい箇所も綺麗に掃除できたりと、さまざまなメリットがあります。
自費診療での扱いが多いものの、定期検診や歯周病治療でエアフローを行う場合などは、公的医療保険が適用となる歯科医院もあり、費用負担を抑えることも可能です。
注意点として、気管支炎や喘息など呼吸器系疾患がある方や、妊娠中の方などは利用できない場合がありますので、詳しくは記事内をご覧ください。
大切な歯をより長く健康的に維持していくためにも、エアフローを実践している歯科医院を受診してはいかがでしょうか?
この記事で、エアフローに関するあなたの疑問が少しでも解消されたら幸いです。
【監修歯科医師】
- 歯科医師:古川 雄亮 先生
- 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
- 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
- 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
記事提供
この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。
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