オフィスホワイトニングの適切な頻度は?効果を長持ちさせる方法も
歯を白くするホワイトニングに興味があり、管理の手間がかかるホームホワイトニングよりも、歯科医院に通うだけのオフィスホワイトニングをやってみたいという方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、ホワイトニングが初めての場合、どれくらいの頻度で施術を受けたら良いのかわかりませんよね。
この記事では、オフィスホワイトニングの一般的な通院頻度に加えて、ホワイトニング効果を持続させる方法や、オフィスホワイトニングの注意点などを紹介します。
オフィスホワイトニングに必要な頻度
オフィスホワイトニングは、1回の施術で歯の白さを実感しやすいことが特徴です。歯科医院でのみ扱える高濃度(30%前後)の過酸化水素や過酸化尿素を含むホワイトニング剤を使用できるためです。
1回の施術にかかる時間は、通常1時間程度です。思い描く歯の白さに近づけるためには、1週間に1回の頻度で通院し、合計5〜6回オフィスホワイトニングの施術を受けるのが一つの目安となります。
オフィスホワイトニングの効果の持続期間
オフィスホワイトニング後、いつまでも歯の白さが持続するわけではありません。食生活やセルフケアによる個人差があるものの、オフィスホワイトニング後の歯の白さの持続期間は、3ヶ月〜半年とお考えください。
オフィスホワイトニングの効果を長持ちさせる方法
歯の白さを長持ちさせるために以下の方法を実践することをおすすめします。
着色しやすい飲食物を避ける
オフィスホワイトニングに限らず、ホワイトニング直後は着色しやすい状態になります。これは、ホワイトニングをすると「ペクリル」という歯を覆う皮膜が剥がされ、通常時よりも着色物を吸収しやすくなるためです。念のために施術後の約1時間は歯の着色しやすい食べ物や飲み物に気をつけましょう。
コーヒー・紅茶・赤ワイン・カレー・醤油・ケチャップ・ソース・チョコレートなどは意識して避けましょう。
喫煙を控える
タバコにはニコチンやタールが含まれ、歯の黄ばみの原因です。喫煙者は、ホワイトニング後に元の歯の色に戻ってしまう「後戻り」が起こりやすいことが明らかになっています。
飲食前に水を飲む
歯の表面が乾燥しているときに着色しやすいです。特に着色しやすい飲食物を摂取する前に口が乾いている場合、水を飲むようにしましょう。
食後に歯磨き・うがいをする
オフィスホワイトニング後の効果を長持ちさせるためには、セルフケアの継続が大切です。食後に丁寧な歯磨きを行い、歯磨きができない場合などはうがいをして、歯に付着した汚れを落とすようにしましょう。
コーティング剤が配合された歯磨き粉を使う
「ピロリドンカルボン酸」や「カチオン化セルロース」といったコーティング剤が配合された歯磨き粉を使うことで、歯の表面をツルツルとした状態に保ちやすくなります。ツルツルと滑らかな歯の表面には、着色汚れが付着しにくくなるためおすすめです。
歯科医院で定期的にクリーニングしてもらう
歯の白さを長持ちさせるためには、セルフケアだけでなく、歯科医院で定期的にクリーニングしてもらうことも重要です。ホワイトニングは歯を白くする処置であり、クリーニングは歯の汚れを落とす処置なので、目的が違います。
専用の機器を使ったプロのクリーニングによって、セルフケアでは落とせない汚れもきれいにしてもらえます。虫歯や歯周病を予防するためにも、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるようにしましょう。
オフィスホワイトニングの注意点
オフィスホワイトニングを開始してから「思っていたのと違う」と後悔しないように、以下のような注意点があることを理解しておきましょう。
漂白効果には個人差がある
短期間で歯を白くすることが可能なオフィスホワイトニングですが、すべての人の歯の色が改善するわけではありません。漂白効果には個人差があり、歯の明るさが増したものの白くならない、というケースも考えられます。
オフィスホワイトニングができない方もいる
無カタラーゼ症の患者さんは、オフィスホワイトニングを受けられません。ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素を体内で分解できず、口腔粘膜の荒れ・壊死などを引き起こす可能性があるためです。
また、妊娠中・授乳中の方も、オフィスホワイトニングは避けるべきと考えられています。ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素が、母体や赤ちゃんに悪影響を及ぼす恐れがあるためです。妊娠の可能性がある場合も、オフィスホワイトニングを避けたほうが良いといえます。
知覚過敏が生じることがある
ホワイトニング剤が歯に浸透する際に、歯の中に通っている神経を刺激し、冷たい物などがしみる「知覚過敏」が生じるケースがあります。通常、オフィスホワイトニングによる知覚過敏は一時的なもので、時間が経つにつれて症状は改善していきます。知覚過敏の症状が強く出た場合には、歯科医師に相談して適切な処置を受けましょう。
虫歯や歯周病があれば先に治療する
虫歯や歯周病がある状態でオフィスホワイトニングを受けると、歯や歯茎の痛みが出て、支障をきたす場合があります。虫歯や歯周病があれば先に治療しましょう。
また、歯石や着色汚れなどがあると、ホワイトニングの効果を得にくくなります。歯のクリーニングを行なってから、オフィスホワイトニングを受けることをおすすめします。
白くできない歯もある
ホワイトニングで白くできるのは、健康な天然歯のみです。詰め物・被せ物の歯は、ホワイトニングで白くすることができません。また、神経が無い歯は、色の変化が小さくなります。
後戻りが早い
オフィスホワイトニングは短期間で歯を白くできるメリットがある一方で、後戻りが早い傾向にあります。後戻りも個人差があり、思ったよりも早く色が戻ってしまうケースもあるということを理解しておきましょう。
まとめ
オフィスホワイトニングはクリニックの方針や個人差がありますが、1週間に1回の頻度で、合計5〜6回施術を受けるのが一つの目安です。あくまでも目安であり、どれくらいの施術で思い描く白さになるか、歯科医師と相談しながら進めることが重要です。
また、オフィスホワイトニングの効果を長持ちさせるためには、着色しやすい飲食物や喫煙を控えることを意識しましょう。
そのほか、オフィスホワイトニングの漂白効果には個人差があり、知覚過敏が生じるケースもあるといった注意点を理解しておくことも大切です。
この記事で、オフィスホワイトニングの適切な頻度に関するあなたの疑問が、少しでも解消されたら幸いです。
【監修歯科医師】
- 歯科医師:古川 雄亮 先生
- 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
- 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
- 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
記事提供
この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。
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