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ホワイトニング後の知覚過敏がめちゃくちゃ痛い!原因と対処法を解説

「ホワイトニングを考えているが、ホワイトニング後に知覚過敏になるかもしれないと聞いて不安。知覚過敏にならないためには、どうすればいいの?」そんな疑問をお持ちの方はいらっしゃいますか。

ホワイトニングの際に知覚過敏が起こると、歯に鋭い痛みが走ります。今回、ホワイトニングの影響で知覚過敏が起こる2つの原因、知覚過敏のリスクが高まる4つの要因、知覚過敏の5つの対処法・3つの予防法を紹介します。

掲載日:2024/11/22

ホワイトニング後の知覚過敏がめちゃくちゃ痛い!原因と対処法を解説

この記事の要約

  • ホワイトニングによって歯の表面がが露出し、神経に刺激が伝わりやすく痛みが生じる
  • 虫歯や歯周病、歯のひび割れによって、知覚過敏のリスクが高まる
  • 知覚過敏用の歯磨きを使って予防に努めましょう

ホワイトニングでめちゃくちゃ痛い知覚過敏になる原因

ホワイトニングによる知覚過敏の原因は、大きく分けて2つあります。

歯の表面を保護するペリクルが除去されるため

ホワイトニングの際に、歯の表面にある「ペリクル」と呼ばれる保護膜が一時的に剥がれます。ペリクルは唾液で作られる膜で、歯の表面に伝わる刺激や、歯の表面を溶かす効果を持つ酸から、歯を守る働きを備えています。加えて、歯の再石灰化を促進する効果もあります。

ペリクルが剥がれている最中は歯の表面が露出してしまい、象牙質の「象牙細管」を通じて歯の神経に刺激が伝わりやすくなります。

参考:Optical Coherence Tomographyによるホワイトニング前後のエナメル質観察

ホワイトニング剤の濃度が高いため

ホワイトニングで用いられる薬剤には、過酸化水素や過酸化尿素といった、刺激の強い薬剤が使用されています。また、ホームホワイトニングで用いられる薬剤よりも、オフィスホワイトニングで使用されるものの方が3倍程度濃度が高いため、歯に与えられる刺激も増すことになります。

薬剤の濃度は、歯がしみるリスクに直結します。ホワイトニング効果の高いオフィスホワイトニングでは薬剤濃度が高くなるため、知覚過敏の危険性が上昇する点には注意が必要です。

ホワイトニング後に知覚過敏になるリスクを高めてしまう要因

ホワイトニング後に知覚過敏になるリスクを高めてしまう要因

患者さんがホワイトニングにより知覚過敏になる危険性を増大させる要因は主に4つあります。

①虫歯がある

虫歯になると、歯の表面を覆っているエナメル質が溶けてしまいます。ホワイトニングを受けると、ホワイトニング薬剤がエナメル質の下の象牙質の象牙細管に入り込んで歯の神経を刺激し、知覚過敏の発生につながります。虫歯がある患者さんはホワイトニングによる痛みが生じる可能性が高まります。

②歯周病が進行している

歯周病とは、歯肉や歯を支える骨が炎症を起こし歯の根が部分的に露出して歯が動揺するなどの症状が見られる状態です。歯周病によって歯の根にあるセメント質が露出してしまうと、ホワイトニングの際にセメント質の下の象牙質の象牙細管から薬剤が入り込みやすく、歯の神経を直接刺激されて知覚過敏を発症する危険性が増大します。

③歯がすり減っている

歯ぎしりや食いしばりがある患者さんの場合、上下の歯の接触が増え、エナメル質が削られていくと、象牙質がむき出しになります。ホワイトニングを受けると、象牙細管(ぞうげさいかん)から歯の神経に薬剤の影響が伝わりやすくなり、知覚過敏が起こる可能性があります。

④歯にひびが入っている

歯にひびが入ってしまった場合、ホワイトニング薬剤や外部刺激が、歯の内部にある象牙質まで侵入しやすくなります。歯の神経が薬剤によって刺激を受けやすくなり、知覚過敏につながるかもしれません。

ホワイトニング後の知覚過敏はいつまで続く?

ホワイトニングによる知覚過敏は、そのほとんどが一時的です。通常であれば24時間以内に痛みが小さくなっていくことが大半であり、数時間〜数日程度で症状が治まるケースが多いです。

ホワイトニングで知覚過敏になった場合の対処法

ホワイトニングで知覚過敏が発生したとしても、適切な対処ができれば、症状を和らげることが可能です。紹介する5つの対処法により、知覚過敏を緩和できる可能性があります。

①知覚過敏用の歯磨き粉を使う

硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが配合されている歯磨き粉を使うことで、知覚過敏の症状を抑えることができます。硝酸カリウムや乳酸アルミニウムには歯の神経に伝わる刺激を軽減する働きがあるため、知覚過敏に対処するために効果的です。また、普段からフッ素が配合された歯磨き粉を使い、エナメル質を強化することも有効です。

②鎮痛剤を飲む

知覚過敏に伴う痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を飲むことで症状に対処することも選択肢となります。

一般的にホワイトニングの知覚過敏は一過性のものであるため、痛みが引かない場合は歯科医院を受診しましょう。

参考:恵比寿ミカ歯科クリニック

③刺激の強い飲食物を避ける

ホワイトニング直後は歯が敏感になるため、施術から1日着色しやすく、刺激の強い飲食物を避けても良いでしょう。

カレー、ケチャップ、トマトソース、カクテルなどの色の濃い食べ物や添加物、ブルーベリー、レモン、炭酸飲料といった酸味の強い飲食物、コーヒーや紅茶のようなカフェインを含む飲み物の摂取は控えて良いかもしれません。

④知覚過敏抑制剤やコーティング剤を塗布してもらう

歯科医院によっては、ホワイトニングの知覚過敏の症状に対処するために使用される薬剤を塗布してもらえます。歯にコーティング剤を塗ることによって、知覚過敏の症状を予防・緩和することも可能です。

歯科医院を受診し知覚過敏の治療を受けましょう。

⑤マウスピースの装着時間を短くする

ホームホワイトニングを行う際には、漂白用の薬剤を塗布したマウスピースを使用します。1日1〜2回ほどに分けて、約2時間マウスピースを装着するのが一般的です。

知覚過敏による痛みなどの症状が強いケースにおいては、マウスピースを装着する時間を1時間程度まで短縮することで、症状に対処できるかもしれません。

ホワイトニング後の知覚過敏の予防法

知覚過敏の発生を防ぐためには、ホワイトニング前の段階において、知覚過敏を予防するための対策が重要です。以下の3つの方法は知覚過敏の予防効果が期待できると考えられています。

①虫歯などがある場合は先に治療しておく

虫歯や歯周病の患者さんの場合、ホワイトニングの影響で知覚過敏を起こす可能性が高くなります。歯にひび割れや欠けがある場合も、薬剤の刺激が痛みを感じる象牙質まで到達しやすくなります。虫歯や歯周病、歯の欠けなどをホワイトニング前に治療することによって、知覚過敏の予防が可能です。

②施術前から知覚過敏用の歯磨き粉を使う

ホワイトニング前から知覚過敏用の歯磨き粉を使用し歯の表面を強くしたり象牙質の象牙細管を塞いで、歯の神経への刺激を緩和することが可能です。フッ素配合歯磨き粉は虫歯予防にもつながるため、知覚過敏の予防にもつながります。

③ホワイトニング剤の用法用量を守る

歯科医院のオフィスホワイトニングとは異なり、患者さんが自分で行うホームホワイトニングの場合は、薬剤の使用量も患者さん自身で管理します。ホワイトニング効果を求め、薬剤の量を多くしたり、ホワイトニングの時間を長くすると、知覚過敏を引き起こしやすくなる点に注意しましょう。

まとめ

ホワイトニングで知覚過敏が発生する一つの原因として、ホワイトニング剤によって歯の表面を保護する「ペリクル」と呼ばれる膜が除去されることなどです。オフィスホワイトニングで用いられるホワイトニング剤の薬剤濃度は、ホームホワイトニングの薬剤濃度より高いため、知覚過敏を起こすリスクもより高いです。

知覚過敏の対処法としては、知覚過敏用の歯磨き粉を使う、鎮痛剤を飲む、刺激の強い飲食物の摂取を控えるなどです。ただし、知覚過敏が改善されない場合は、歯科医師による処置が必要なケースも考えられるため、早めに歯科医院を受診し必要な処置を受けましょう。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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