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【ホワイトニング】詰め物をしている前歯に色むらができる原因は何?

「前歯が黄色くなって、ホワイトニングを検討中だけど前歯に詰め物が。歯の色に「むら」ができないか心配。そんな悩みをお持ちの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、前歯の詰め物がホワイトニングの色むらの原因、詰め物のある前歯をホワイトニングする2種類の方法、ホワイトニングの5つのデメリット、ホワイトニングが向いていない人の5つの例を紹介します。

掲載日:2025/03/27

【ホワイトニング】詰め物をしている前歯に色むらができる原因は何?

この記事の要約

  • ホワイトニング後に、白くなった天然歯と白くならない詰め物の間に色の差(色むら)ができてしまう
  • ホワイトニング後に詰め物を交換することなどで色むらへの対処が可能
  • ホワイトニングにデメリットがあり、ホワイトニングに向いていないケースがある

ホワイトニング後に詰め物をしている前歯に色むらができる原因

前歯に詰め物をする場合、「コンポジットレジン」という歯科用プラスチックを詰める方法が多いです。しかし、コンポジットレジンは長期間の経過で徐々に変色し、審美(見た目)が悪くなります。

コンポジットレジンの詰め物は、ホワイトニングによって白くすることはできません。ホワイトニング後に白くなった天然歯と詰め物色の間に色のむらが生じる可能性が高いです。

詰め物はクリーニングなら可能

詰め物の汚れは歯科医院のクリーニングによって、取り除くことが可能です。クリーニングはあくまで歯の汚れを綺麗にするためで、時間が経過すると再び汚れが付着する可能性があります。

詰め物をしている前歯のホワイトニング方法

前歯に詰め物をしていても、ホワイトニング方法やタイミングの工夫で、色むらの可能性を減らせます。詰め物の影響で起こる色むらへの具体的な対策としては、以下の2つです。

詰め物の部分を除いてホワイトニングする

詰め物を入れて時間が経っていない場合、詰め物自体が変色していない状態でホワイトニングを受けることができます。そのため、詰め物の部分はホワイトニングされません。詰め物の色に合わせて天然歯をホワイトニングすることで、歯と詰め物の色を合わせやすいです。

ホワイトニング後に前歯の詰め物を交換する

ホワイトニング後に前歯の詰め物を交換することで、周囲の歯と詰め物の間に生じる違和感をより減らすこともできます。ホワイトニングの効果で白くなった天然歯の色に合わせて詰め物を作成することによって、詰め物の色を周囲に近く調整することも可能になるため、治療の順番を考えることも効果的な対応方法です。

ホワイトニングにはリスク・デメリットもある

ホワイトニングにはリスク・デメリットもある

ホワイトニングは変色した歯を白くできる方法の一つですが、デメリットもあります。ホワイトニングのデメリットを5つ解説します。

知覚過敏になる恐れがある

ホワイトニング後に、冷たいものや熱いものに対して歯がしみる「知覚過敏」の症状が起こることがあります。知覚過敏の症状は、基本的には数時間から数日程度で治まる一時的なものが多いです。痛み止めや抑制剤の活用が一般的に用いられています。

虫歯がある患者さんの場合、ホワイトニングで使用する薬剤が虫歯で溶けた部分を刺激し痛みが強くなるケースもあるので、より一層の注意が必要です。ホワイトニングの前に、虫歯や歯周病の治療を終えておくことが望ましいです。

歯肉が痛む場合がある

ホワイトニングで使用する薬剤が歯肉に触れた際に、腫れや痛みの症状が一時的に起こります。また、ホワイトニングの際に照射するライトの熱によって痛みが発生する可能性もあるため、場合によってはホワイトニングの治療を中断しなければならないことがあります。

一般的に、ホワイトニング前にクリーニングによりお口の中の汚れや歯石などを取り除いて口の中の細菌を減らし歯茎の炎症が起きにくくなります。

人によって効果の表れ方が異なる

ホワイトニングの効果には個人差があるため、全ての患者さんに効果的とは限りません。ホワイトニングの効果が持続する期間も人によって異なります。

また、コーヒー、紅茶、ワインのような着色しやすい飲食物を多く摂取したり、日常における歯磨きをはじめとするセルフケアを適切に行わない患者さんの場合、ホワイトニングの効果が薄れやすい点にも注意が必要です。

効果は永久的なものではない

ホワイトニングで白くなった歯は、白い状態をずっと保てるわけではありません。ホワイトニングの効果が持続する期間は、歯科医院でのオフィスホワイトニングの場合は3〜6カ月、自宅で行うホームホワイトニングの場合は6〜12カ月程度である、と一般的に考えられています。

オフィスホワイトニング後は3〜6カ月ほど経過したら歯科医院に足を運び、メンテナンスを受けたほうがよいでしょう。その際、歯の色の状態によっては再度ホワイトニングが必要と判断されるかもしれません。

公的医療保険が適用されない

ホワイトニングは公的医療保険の対象でなく、自費治療です。そのため、施術を受ける歯科医院や使用する機器・施術法などでホワイトニングの費用は大きく変化することになります。

施術後のトラブルを避けるため、治療前に料金を歯科医院に確認し、十分な説明を受けます。説明内容に納得がいかなかった場合、他の歯科医院で処置を受けることを検討してみてもいいでしょう。

ホワイトニングが向いていない人もいる

ホワイトニングは全ての人が受けられず、患者さんによっては適応できないケースもあります。以下の5つの項目に該当すると、一般的にホワイトニングが難しいと考えられています。

妊娠中・授乳中の人

妊娠中・授乳中の人の場合は、ホワイトニング薬剤が、母体から胎児や乳児へ悪影響を与える可能性があります。そのため、妊娠中や授乳中である人はもちろん、妊娠の可能性がある人の場合も、ホワイトニングを行うタイミングはお子さんに影響が出ない時期までずらしたほうがよいとされています。

無カタラーゼ症の人

無カタラーゼ症とは、過酸化水素を分解するために必要な「カタラーゼ」という酵素が無い病気です。ホワイトニング薬剤の成分に含まれる過酸化水素が無カタラーゼ症の人に重篤な症状を招くため、ホワイトニングはできません。

呼吸器疾患の人

喘息などの呼吸器疾患の場合、主に薬液から発生する微量のガスが呼吸器に問題を引き起こす可能性もあるため、問題がないか事前に相談しておく必要があります。

光線過敏症の人

ホワイトニングでは薬剤を塗った歯にブルーライトを照射するタイプがあり、光線過敏症の人がホワイトニングを行う場合は、光を使わないオフィス・ホームホワイトニングを試すのが望ましいです。

未成年の人

乳歯や生えたばかりの永久歯は、ホワイトニング薬剤の影響を受けやすいです。未成年の人の歯は成長や発達の途中であることが大半であり、ホワイトニングが歯に悪影響を与える可能性が高くなります。こうした事情から、ホワイトニングを受けられる患者さんの年齢は18歳以上などに設定されることが多いです。

まとめ

前歯に詰め物をしている場合、ホワイトニング後に天然歯と詰め物の間に色の差が生じてしまう可能性があります。詰め物(コンポジットレジン・セラミックス・金属)はホワイトニングで白くできず、長期間の経過で変色するものがあるため、注意が必要となります。

また、ホワイトニング自体にデメリットがあり、そもそもホワイトニングが向かない人もいます。ホワイトニングを検討しているのであれば、治療前に歯科医院に足を運んで相談することによって、自分がホワイトニングを受けられるかを客観的に判断してもらいましょう。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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