【症状別】前歯が欠けたときの治療費の相場｜対処法や防ぐ方法も

■目次

1. 前歯が欠けたときの治療費の相場【症状別】
2. 前歯が欠けたときの対処法
3. 前歯が欠けるのを防ぐ方法
4. 前歯が欠けたときによくある質問
5. まとめ

前歯が欠けたときの治療費の相場【症状別】

前歯が欠けた時には速やかな治療が必要で、治療費はケースバイケースです。欠けた大きさに応じた治療法と治療費の相場について、4つに分けて紹介します。

小さく欠けた場合

歯の欠け方が比較的軽度な場合、白いプラスチック「レジン」を使って、隙間や穴を埋めます。型取りを行わずに治療ができ、治療期間が短く、歯の欠けた部分以外を大きく削る必要のない点がメリットです。 治療費の相場としては、公的医療保険が適用される場合は3,000円程度が目安です。事故などの影響で歯が欠けた場合は、傷害保険制度などの利用もできる点は頭に入れておきましょう。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

中くらいに欠けた場合

歯の欠け方が大きく歯の神経が危険にさらされる場合、歯に被せ物をして、修復する可能性があります。 処置方法は、詰め物以外に金属フレームの表側にプラスチックで覆う被せ物（レジン前装冠）や、ハイブリッドセラミック（CAD/CAM冠）による被せ物をセットします。

治療費の相場は、公的医療保険が適用される場合は5,000円前後が目安となります。 ただし、自由診療であれば、審美面に優れたオールセラミックを使用することが可能です。しかし、その場合は治療費の相場が数万円かかります。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

大きく欠けた場合

たとえ歯が大きく欠けてしまったとしても、神経に影響がない状態であれば、 土台の形に歯を削ったうえで、歯全体に被せ物をして対応することができます。 ただし、神経が露出し感染している場合は、神経を取り除いたうえで歯の根の部分にお薬を入れて、 土台を入れ歯の補強を行ったうえで、被せ物をすることになります。

治療費の相場は、公的医療保険が適用される場合は5,000円前後が目安となります。 ただし、被せ物をセラミックやジルコニアにした場合は、100,000から150,000円と治療費が高額になる点に注意が必要です。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

大きく破折した場合

歯が大きく破折した場合、歯を保存することが難しくなるため、抜歯します。 ただし、歯を抜いた後で何も処置しないでいると、噛み合わせの悪化などにつながり、多くの歯を失う事態になりかねません。 入れ歯やインプラントなどの治療を受けることによって、歯の寿命を延ばしていくことが重要です。

治療費の相場としては、抜歯後のインプラントや、セラミックで作られたブリッジを入れた場合は、300,000〜450,000円が目安となります。

歯が大きく破折した場合には『歯が欠けた！治療費の相場と治療方法について』の記事をご覧ください。

前歯が欠けたときの対処法

前歯が欠けた直後に適切な処置を受けることができるかによって、その後が大きく変わってきます。歯が欠けたり折れたりした際の具体的な対処法を4つ紹介します。

欠けた前歯を保管する

折れた歯自体や歯の破片が残っていれば、早めに歯医者を受診して接着剤により再び歯がくっつく可能性があります。 歯を拾って保存することは重要です。保管の際には、歯や破片を水道水で洗うのは極力避け、乾燥などを防ぐためにお口の中の頬と歯肉の間や、コップに入れた牛乳や生理食塩水の中に入れましょう。

欠けた部分を触らない

歯が欠けた部分に出血などが発生した場合、空気に触れただけでも強い痛みが出てきます。 歯が欠けた部分に触れると、欠けた部分の断面が鋭利になっていて、触れた舌や指を傷つける可能性があります。歯が抜けたり折れたりした部分を触ることは控えたほうがよいでしょう。

痛み止めを服用する

歯が欠けた際に神経が露出すると、空気に触れただけで痛みが生じかねません。 鎮痛剤は痛みなどの炎症を抑える効果を持つため、歯が欠けた後に痛みが出た場合は我慢することなく鎮痛剤を服用しましょう。

できるだけ早く歯科医院に連絡する

歯が欠けたり折れたりした場合は、できる限り早く歯科医院に連絡し、現在の状況を伝えて修復することが重要です。 痛みがなかったとしても、放置していると歯が欠けた部分が細菌感染を起こし、欠けが大きくなり噛み合わせが悪化する可能性があります。 早めに歯科医院に足を運んだうえで、適切な対処を受けましょう。

前歯が欠けるのを防ぐ方法

人によっては、何らかの理由で前歯が欠けやすくなっています。状態に応じて、以下の3つの方法で前歯が欠けるリスクを大きく減らせるでしょう。

矯正治療で出っ歯を改善する

出っ歯になっている人の場合、前歯を打撲する可能性が高くなります。 さらに、出っ歯になっている部分を地面やボールなどに強く打ち付けてしまうと、前歯が折れるリスクも高まります。

矯正治療で出っ歯を引っ込めることによって、前歯が折れる可能性を低くできます。 治療費の相場としては、部分矯正の場合は300,000〜600,000円、全体矯正の場合は600,000〜1,300,000円が目安です。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

スポーツマウスピースを活用する

スポーツ中に歯が折れてしまうケースがあります。 ボールが顔に当たる危険のある球技や、顔に対するダメージの大きい格闘技などは、アクシデントで歯が折れる危険性が高いです。

そうした事態を防ぐため、競技中に歯や顎を守る役目を持つ「スポーツマウスピース」の使用が増えています。 治療費の相場としては、公的医療保険外治療の際は15,000〜30,000円

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

ナイトガードで歯ぎしり対策をする

歯ぎしりや食いしばりなどの癖を持っている人の場合、癖の影響で歯がダメージを受けて薄くなり、 最終的に前歯が折れることにつながります。歯ぎしりや食いしばりで薄くなった歯は脆くなるため、軽い衝撃で歯が折れる危険性が高くなります。

歯がそのような状態になることを防ぐ手段の一つとして、「ナイトガード」と呼ばれる、夜に用いるマウスピースを使用することで、 歯ぎしりの影響で歯に加わるダメージを軽減できます。ナイトガードは公的医療保険が適用されるケースが一般的で、費用の相場としては3,000〜5,000円です。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

前歯が欠けたときによくある質問

前歯が欠ける事態は全ての人が経験するものではないため、いざ前歯が折れた際に何らかの疑問が浮かぶことでしょう。 次に挙げる2つの質問は、実際に前歯が欠けたり折れたりした患者さんから多いものです。

1週間くらいなら放置しても大丈夫？

歯が抜けた状態を放置していると、欠けた部分が広がる、噛み合わせや歯並びに異常が起こり、噛む力の低下とそれに伴う認知症のリスクの上昇、寿命の短縮といったさまざまな悪影響が発生します。 短期間であっても歯が欠けた状態を放置するのは非常に危険です。

自分で治すのはあり？

接着剤などを使って欠けた歯を自分でくっつけた場合、噛み合わせの悪化を招いたり、欠けた部分から感染が発生して、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。 また、審美面で悪影響が生じたり、接着剤を除去する際に歯が削れる危険性も生じるため、欠けた部分を自分で埋めたり、修復しようと試みるのは厳禁です。

まとめ

前歯が欠けてしまった場合、治療法や治療費の相場は症状によって変わります。 欠け方が小さければ詰め物の治療で済みますが、歯が根元から折れてしまっていたり、神経が露出している場合は、被せ物やインプラントなど治療規模が大きくなり、治療費も高額になります。
前歯が欠けてしまった場合は、前歯の欠片を保管する、欠けた部分には触れない、痛み止めを服用するといった対処をして、可能な限り早く歯科医院に連絡することが大切です。
歯が欠けた状態を放置したり、自分で歯をくっつけようとはせずに、適切な処置を受けましょう。

【監修歯科医師】

• 歯科医師:古川 雄亮 先生
• 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
• 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
• 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
  [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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