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銀歯にしたくない!奥歯・前歯別:白い歯の治療総まとめ

日本の歯医者さんでは公的医療保険を適用して金属の被せ物で治す、いわゆる銀歯の治療はまだまだ行われています。

でも、銀歯は目立つし嫌ですよね。

金属アレルギーの心配や金属が劣化してしまう可能性などもあり、できるだけ避けたいという方も多いのではないでしょうか。

では、銀歯にしたくない方はどんな治療を受けたらいいのでしょうか?
虫歯の大きさや費用別に、銀歯を使わない白い歯の治療をご紹介します。

掲載日:2021/12/14

銀歯にしたくない!奥歯・前歯別:白い歯の治療総まとめ

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

公的医療保険適用

・コンポジットレジン充填

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

虫歯が小さいうちに削り、歯科用レジン(コンポジットレジン)を詰める治療方法です。

歯科用レジンは色調が豊富なため、自分自身の歯の色に近いレジンの色を選ぶことで自然な見た目に治療することができます。

・レジンインレー

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

以前は小さな銀歯で治療していた範囲の虫歯を、歯科用レジンで治療する方法です。

歯科用レジンの耐久性や性能が進化しているため可能になった治療法といわれています。

噛み合わせや虫歯のできた部位によっては適用されないこともあります。

・硬質レジン前装冠

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

金属のフレームの上にプラスチック(硬質レジン)を貼り付けることによって白く見せる被せ物です。金属を使用しているため自分自身の歯に比べて透明感が劣るとされています。

表面がプラスチックでできているため割れたり欠けたりしやすく、長期間使用していると変色や着色が起こります。

金属アレルギーの方は適用されませんので注意してくださいね。

・硬質レジンジャケット冠

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

歯科用レジンのみで作製されており、金属を使用しないため硬質レジン前装冠に比べて透明感が出るといわれています。

硬質レジン前装冠同様、プラスチックでできているため強度が劣り、長期間使用することで変色や着色が起こります。

・CAD/CAM冠

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

ハイブリッドレジンと呼ばれる、セラミックとレジンを合わせた素材で作られる白い被せ物です。
硬質レジンジャケット冠よりも強度のある被せ物といわれています。

公的医療保険を適用してCAD/CAM冠治療を行うには、お口の中の状態や治療の必要な歯の位置など、ある程度の適用制限が設けられていますが、 保険適用の白い被せ物として注目されています。

自費診療

銀歯にしたくない場合の治療の選択肢

公的医療保険が適用されない、患者さんが全額自己負担で受けられる自費診療では、セラミックやジルコニアなどの白い歯の治療で使用されています。

公的医療保険適用の治療に比べて治療費はやや高価ですが、変色や着色がしにくく、より自分自身の歯の色に近付けることができるなどのメリットがあります。

また、プラスチックなどの公的医療保険適用の素材に比べ強度も高いため、長い期間使用することができるんです。

人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアによる治療も主流となってきており、セラミックよりも強度のある白い歯を作製することができます。

ジルコニアはセラミックに比べると透明感が劣るため、ジルコニアの表面にセラミックを貼り付ける「ジルコニアセラミック」という治療方法もあり、 より自分自身の歯に近い色調や見た目を再現できますよ。

そのほかにも、金属のフレームにセラミックを焼き付ける「メタルボンド」という被せ物もありますが、こちらは内面に金属のフレームが使用されているため透明感がやや劣ります。

部位別!白い歯の治療方法

前歯

~小さな治療~

部位別!白い歯の治療方法

削った範囲が小さい治療であれば、主にコンポジットレジン充填という歯科用プラスチックの素材で治療されることが多いでしょう。
公的医療保険を適用して受けることができるため、治療費は安価で済みますよ。

公的医療保険が適用されない、色調が豊富で強度が高いコンポジットレジンを用いる「ダイレクトボンディング」という自費治療もあります。

治療方法は同じであるため1度の通院で治療は完了しますが、ダイレクトボンディングは治療後の見た目や強度が公的医療保険適用の コンポジットレジンを用いるよりも優れているといわれています。

~被せる治療~

部位別!白い歯の治療方法

前歯に被せる治療は、硬質レジン前装冠や硬質レジンジャケット冠、CAD/CAM冠が公的医療保険で受けられるほか、セラミックやジルコニア、メタルボンドなど様々な選択肢があるんです。

変色や着色が気になる方はセラミックやジルコニアを、できるだけ安価に白い歯にしたい方は硬質レジン前装冠や硬質レジンジャケット冠、CAD/CAM冠を検討してみてはいかがでしょうか。

前歯は目立つ部分なので特にきれいにしたい!という方は、透明感があり色調の調整ができるジルコニアセラミックを選択してみてもいいかもしれません。

それぞれの被せ物の特徴をよく確認して、後悔しない被せ物を選んでくださいね。

奥歯

~小さな治療~

部位別!白い歯の治療方法

奥歯の小さな虫歯の治療は前歯と同様に、コンポジットレジン充填で行われることがほとんどです。
ダイレクトボンディングも可能ですよ。

歯科医院によっては小さな虫歯でも銀歯の治療を行うこともありますが、金属での治療を希望しない場合は事前に伝えて相談しておきましょう。

近年ではやや大きな虫歯でも、レジンインレーとしてコンポジットレジンで治すことが多い傾向にあります。 できれば白い歯で治したい…と思ったら、レジンインレーで治すことができるかどうか聞いてみてもいいかもしれませんね。

~被せる治療~

部位別!白い歯の治療方法

奥歯を白い歯にするには、公的医療保険が適用されないものが多くなります。 前から4番目、5番目(小臼歯)の歯は硬質レジンジャケット冠が公的医療保険適用です。

奥歯(大臼歯、前から6番目7番目)で、公的医療保険を適用できる白い被せ物はCAD/CAM冠だけ。

そのCAD/CAM冠も、噛み合わせや歯の部位、7番目の歯の有無など様々な条件があり、適用されないケースもあります。

自費診療であるセラミックやジルコニア、メタルボンドは前歯と同様に治療を受けることができますよ。

ジルコニアセラミックは奥歯の噛む力でセラミックの部分が割れてしまう可能性があるのであまり行われていないようです。 奥歯も見た目にこだわりたい!という方は、歯科医師に相談してみてくださいね。

※金属アレルギーの方はCAD/CAM冠に公的医療保険が適用される範囲が広がります。 金属アレルギーと診断されている方は、事前に歯科医師に伝えてみてくださいね。

CAD/CAM冠ができない?

部位別!白い歯の治療方法

CAD/CAM冠を奥歯に適用できるかどうかは患者さんのお口の中の状態によって異なります。

現在、CAD/CAM冠は第二大臼歯(前から7番目の歯)は適用範囲外とされています。

2020年4月に第一大臼歯(前から6番目の歯)は公的医療保険が適用されることになりましたが、上下の第二大臼歯がすべて残っていなければなりません。

2020年の9月には前歯のCAD/CAM冠も公的医療保険の対象となりました。
しかし、前歯も奥歯も、噛み合わせが強い方は適用することができません。

また、患者さんのお口の中の状態のほかに、歯科医院あるいは歯科医院と提携している歯科技工所にCAD/CAMシステムを搭載しているコンピューターがなくてはなりません。

残念ながらすべての歯科医院に整備されているわけではないため、CAD/CAM冠治療を受けられない歯科医院もあります。
CAD/CAM冠治療を希望される方は、事前に設備が整っているかどうかを歯科医院に確認してみてくださいね。

銀歯にしたくないけど、白い歯は値段が高い?

公的医療保険適用の値段相場

銀歯にしたくないけど、白い歯は値段が高い?

2021年6月現在、公的医療保険を適用したコンポジットレジン充填は700~1,000円、レジンインレーなら900~1,200円と、比較的安価での治療が可能となります。

硬質レジンジャケット冠では2,900円~4,000円程度、硬質レジンジャケット冠では3,700~5,500円程度とされています。

CAD/CAM冠の場合は、小臼歯が6,500~7,100円、大臼歯が7,000~7,600円ほどです。

被せ物の費用のほかに、土台として整える費用や型取り、装着料などの費用が掛かります。

参考: 社会保険歯科診療報酬点数早見表

自費診療の値段相場

銀歯にしたくないけど、白い歯は値段が高い?

自費診療は、かかる費用がすべて患者さんの自己負担のため治療費は高額になる傾向にあります。
また、歯科医院が独自で費用を決定することができるため、治療を受ける歯科医院によっても費用に差が生じます。

セラミックインレーでは約25,000~80,000円、ハイブリッドセラミックインレーであれば約25,000~55,000円、 ハイブリッドセラミックアンレーの場合は約28,000~70,000円が相場と言えるでしょう。

オールセラミッククラウンは約48,000~155,000円、メタルボンドは約55,000~150,000円となります。

フルジルコニアクラウンは50,000~150,000円、ジルコニアセラミッククラウンは50,000~200,000円となり、値段の振れ幅も保険適用の場合に比べて大きくなります。

※2021年12月 メディカルネット調べ

自費診療にかかった費用は医療費控除の対象となりますので、費用を抑えて治療を受けたい方はぜひこちらの
>ホワイトニング・審美歯科治療の値段は?治療項目別に平均費用についてまとめました!
>ホワイトニング・審美歯科治療の医療費控除について
もご覧ください。

保険適用の白い歯は歯科医院選びが大切

保険適用の白い歯は歯科医院選びが大切

公的医療保険が適用されるタイプの治療を受ける場合は、自分に適した歯科医院を選択することも重要になってきます。

例えば、CAD/CAM冠の治療は、治療のための設備がある医療機関でないと受けられません。
希望する治療が受けられる環境であるかどうかは、通院前に確認しておいた方がいいでしょう。

ほかにも、治療前にあらかじめ「公的保険適用の範囲内で歯を白くしたい」と伝えておかないと、保険が適用されないかたちで治療を進められてしまう可能性も出てきます。

また、口内の状態によっては公的医療保険が適用される範囲での治療が難しく、自費治療を勧められるケースもあるため、歯科医院選びだけでなく、事前に歯の治療に関するカウンセリングを受けておくことも重要です。

まとめ

銀歯にしない歯の治療には、公的医療保険適用と自費治療という2つのパターンがあります。

それぞれメリットとデメリットも異なってくるため、自分にとってどちらがより適しているかを事前によく検討し、不安のないかたちで治療を受けることが肝要です。

しかし、治療前に自身の希望を何も伝えなかった場合は、「銀歯での治療で良い」と判断され、そのまま銀歯で治療を進める歯科医院も少なくありません。

希望する治療を受けるためにも、希望する治療が受けられるかどうかは治療を始める前によく相談してくださいね。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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