歯を白くしたい!黄ばんだ歯を白くする方法
「歯がだんだん黄ばんできた」「神経を抜いた歯が黒ずんできた」など、歯の色についてお悩みではないでしょうか。
そもそも、欧米人に比べて日本人の歯は白くないといわれています。それでも、加齢などによって歯が黄色くなってくると気になるものです。
中には、ホワイトニング効果を表示している市販の歯磨き粉などを試した方もいらっしゃるかもしれません。ただ、市販品は配合できる成分が限られているため、すぐに効果が現れる製品は少ないのではないかと考えられます。
「歯の変色をなるべく早く改善したい」と考えている方に、早めに歯の白さを実感できる治療方法などをご紹介します。
1. 歯の黄ばみ、気になっていませんか?
歯の黄ばみには、さまざまな原因が挙げられます。
まず、食べ物やタバコなどの汚れが歯の表面に付着する、外部からの着色があります。
このほか、加齢変化の一つであるエナメル質の厚みがすり減ることや、テトラサイクリン系の抗生物質による副作用、歯の神経の有無など、歯そのものの変化に関連している場合もあります。
歯の色は、象牙質と呼ばれる内部の層の色によって決まるといわれています。象牙質は黄味がかっていますが、その外側で歯を守っているエナメル質という層が半透明(白色)になっているので、歯が白く見えるようになっています。
ところが、このエナメル質が削れたり、加齢によって象牙質の厚みが厚くなったりすると、内部にある象牙質が目立ちやすくなる傾向にあります。
外部からの着色もエナメル質に付着するので、歯が黄ばむ原因は象牙質にもありますがエナメル質にもあると考えてよいでしょう。
歯を白くする方法はさまざまなものがあります。ご家庭で市販のグッズを使用するものもあれば、歯科医院で特殊な薬剤を受け取り、自分で毎日歯に塗る「ホームホワイトニング」と呼ばれるものもあります。
短期で歯がより白くなる「オフィスホワイトニング」を中心に、歯科医院で歯を白くする方法を見ていきましょう。
2. 早く歯の白さを実感できるオフィスホワイトニング
歯科医院で行なうホワイトニング「オフィスホワイトニング」の特徴は、ご家庭では使用できないような専用の薬剤や機材を使えることです。
歯科医院で使用できる薬剤は、多くの場合「過酸化水素」と呼ばれる成分が含まれています。これは市販の歯磨き粉などには使用できない成分となっており、歯科医師免許がなければ取り扱いできないことになっています。
歯に薬剤を塗った後、漂白効果を促進する特殊な光を当てます。これも、オフィスホワイトニングならではの治療過程です。一般的な装置の場合、光照射によって放出された電子が過酸化水素と反応することで、着色物質をよりスムーズに分解していく仕組みとなっています。
このように一度の施術で高い漂白効果が現れるので、1回目の治療でも「歯が白くなった」という効果を実感しやすくなっています。
一方、薬剤などを受け取りご自分で続けていくホームホワイトニングは、薬剤に「過酸化尿素」と呼ばれる成分が配合されています。こちらは酸化反応が緩やかなので、時間をかけながらホワイトニングをしていくことになります。長期的に白い歯を維持したい場合には有効ですが、歯の白さを実感するにはやや時間がかかります。
3. 歯石の除去やクリーニングでも歯が白くなる?
歯科医院でのホワイトニングは、歯の内部に起因する着色を漂白するものでした。それでは、歯の表面に付着した汚れを取り除くと歯は白くなるのでしょうか。
食事やたばこによる表面の着色を取り除くには、歯科医院でPMTCと呼ばれるクリーニングを受けるときれいにできます。このときに、虫歯や歯周病の原因となる歯石や歯垢も取り除けるので、歯の表面がツルツルに。汚れが付きにくくなって着色の予防にもなります。
このように、クリーニングでも歯をきれいに見せる効果はあるものの、もとの歯以上に白くすることはできないので注意が必要です。歯の色が元々白ければ、汚れを落とすだけでも効果がありますが、元々歯の色が黄色っぽい色をしていれば、効果は期待できないでしょう。
4. 神経のない歯を白くするウォーキングブリーチ
歯が変色する理由のひとつに、歯の神経の有無があります。
虫歯が進むと、歯の神経が死んでしまったり、治療のために歯の内部にある神経を取り除いたりするケースがあります。神経がなくなった歯は「失活歯」と呼ばれ、黒または茶色っぽく変色してきてしまいます。こうした失活歯を白くきれいにするホワイトニングに「ウォーキングブリーチ」と呼ばれる治療方法があります。
過去に歯の神経の治療を受けている歯は、詰め物などで封鎖されています。ウォーキングブリーチでは詰め物などを取り、ホワイトニング剤を入れて内部から白くしていきます。数回の治療で歯がしっかり白くなったら、内部の漂白剤を除去し、再び詰め物などをして完了となります。
失活歯の強い変色に悩んでいる方には、おすすめの治療方法といえるでしょう。
5. セラミックやジルコニアの被せ物
歯そのものを白くするのではなく、天然歯の色に近い被せ物などで違和感なく白く見せる方法もあります。
虫歯になった部分が変色してしまった場合、セラミックと呼ばれる透明感のある白い素材で作られた被せ物を接着し、歯を白く見せることができます。セラミック以外にも、ジルコニアという強度が高く、見た目がきれいな素材もあります。その硬さを生かし、圧力のかかる奥歯の被せ物としても応用されています。
また、銀歯を被せていたところ、またはレジンを詰めていたけれど変色してしまったところなどを、セラミック製の補綴物に作り替えて白く見せるという方法もあります。
歯列の中でも目立ちやすい前歯が変色していてすきっ歯が目立ったりしているケースでは、ラミネートベニアと呼ばれる治療方法が適しています。
ラミネートベニアは、つけ爪のような薄いセラミックを歯の表面に接着させるという治療で、主に前歯の見た目を美しくしたいときに適用されます。色や形を整えるだけでなく、隙間を埋めるようにラミネートベニアを貼り付けることも可能。ラミネートベニアの接着の際は歯の表面を少し削るものの、ほかの被せ物の接着に比べると削る量はとても少なくなります。
このように、歯の黄ばみそのものもいろいろな原因が考えられ、それぞれに合った治療方法があります。 歯をきれいに磨いていても着色が落ちないと感じたら、歯医者さんで原因を聞いてみるとよいでしょう。
【監修歯科医師】
- 歯科医師:古川 雄亮 先生
- 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
- 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
- 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
[参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
記事提供
この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。
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