タバコによる黄ばみ(ヤニ)の落とし方は?

タバコを吸うようになってから歯が黄ばんできた、長年タバコを吸っているから歯が着色で真っ黒で気になることはありませんか?
タバコによってなぜ歯が黄ばむのか、黄ばんでしまった時の黄ばみの取り方などタバコと着色の関係について詳しくご紹介します。

タバコによる黄ばみ(ヤニ)の落とし方は?

タバコの成分とは

タバコにはニコチン一酸化炭素タール(ヤニ)などが含まれています。

ニコチンはいわゆるタバコの歯に含まれている有機化合物で、タバコを吸うことがやめられなくなるといった強い依存性のある成分です。

ニコチンは、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮することにより、心拍数が上昇したり、不規則になります。

また、少量の摂取では興奮作用を、多量の摂取では逆に鎮静作用があるとされています。

タールには、ニコチンのような依存性をもたらす効果はありません。
ですが、ニコチン以上に身体に悪影響があるとされる成分が含まれています。

タバコに含まれているタールはいわゆる「ヤニ」と呼ばれ、一酸化炭素とガス状の成分を除いた粒子状の数百種類の成分の総称です。
タールには高い吸着力(くっつく力)があり、タバコのフィルターを茶色くしたり、歯の表面に付着し歯が黄ばむ、部屋の壁に付着すると黄ばみや茶色に近い着色の原因となります。

タールには発がん性物質が含まれています。吸着力があるタールが肺や気管支に入り込むと長くとどまり、発がん性物質が肺がんを引き起こす可能性を高めるといわれています。

タバコの身体への影響とは

タバコを吸うことで、ヒトの身体にはさまざな影響があるといわれています。
また、副流煙により、喫煙者の周りのヒトの身体や健康への影響も起こります。

タバコによる喫煙者本人のリスク
・肺がん罹患リスクの上昇
・循環器疾患罹患のリスクの上昇
・動脈硬化(血栓ができやすくなる)
・脳血管障害発症確率の上昇
・心筋梗塞発症確率の上昇
・Ⅱ型糖尿病発症確率の上昇
・歯周病の発症、悪化
・ニコチン依存症
・早産、低体重児出生のリスクの上昇
・COPD(慢性閉そく性肺疾患)発症リスクの上昇

タバコを吸うと着色するのはなぜ?

上記でも述べた通り、タバコに含まれているタールは強い吸着力があります。

タバコの煙として空気中に拡がり、壁紙に少しずつ付着し、黄ばみ、積み重なると茶色く汚れていきます。

お口の中は、煙を直接吸い込んでいます。
煙に含まれるタールが歯に付着し、黄ばみの原因となります。
タールは強い吸着力がありますので、1度歯に付くと自分で取り除くのは難しくなります。
また、強い吸着力により、コーヒーやワイン、醤油やソースなど色の付きやすい飲食物を吸着します。喫煙をしない方も飲食物による着色はありますが、喫煙する方のほうが吸着力が強いため着色しやすくなるといわれています。

タバコのヤニを落とす方法とは

・ホワイトニング歯磨き粉を使う

市販のホワイトニング効果があるとされている歯磨き粉を使うことで、歯の表面に付着した着色を取り除く効果が期待できます。

しかし、タールは強く歯の表面に付着するため、ホワイトニング効果のある歯磨き粉でも取り除くことは難しいでしょう。
噛むとじゃりじゃりするくらい大きな粒子の研磨剤(歯の表面を磨く成分)の入っている歯磨き粉であれば取り除くことができる可能性がありますが、歯の表面に傷をつけてしまったり、歯茎を傷付けてしまうなどの恐れがあります。
大きな粒子の研磨剤の入っている歯磨き粉を使う場合は、優しい力で、歯茎に強く当たらないように歯磨きをするなど、慎重に使うするようにしましょう。

・市販のホワイトニング製品を使う

市販されているホワイトニング製品を使うことで、歯の表面の着色を取り除くことができます。

市販のホワイトニング製品は、歯の色を漂白するための「過酸化水素」という成分が含まれないため、歯の表面の着色を落とすことで、歯を白く見せる方法です。
歯の消しゴムでは歯の表面をこすり取ることによって歯の表面の汚れを落とすため、強くこするとタールによる着色がとれる場合がありますが、同時にエナメル質を傷付けてしまう可能性があります。

・歯科でクリーニングを受ける

歯科医院で歯のクリーニングを受けることでタール(ヤニ)を除去することができます。
通常の歯の表面の歯垢や歯石を取り除く歯石除去や歯の表面を磨く歯面研磨、PMTCでは除去できないほど強固にタール(ヤニ)が付着している場合は、「エアフロー」や「歯面清掃」と呼ばれる着色を落とすための清掃を行うことで、歯の表面を傷付けることなくタール(ヤニ)を除去することができます。

・歯科ホワイトニングを受ける

歯科ホワイトニングでは、過酸化水素という歯の色を漂白して白くする成分が含まれています。過酸化水素は、タールによる黄ばみを漂白することが可能です。
ホワイトニング後に再度喫煙したり、着色しやすい飲食物を摂取することで、歯の色が後戻りしやすいため注意が必要です。

タバコのヤニや黄ばみは一度ついてしまうと自力で取ることは非常に困難です。
無理に取り除こうとすると歯や歯茎を傷付けてしまう原因となるため、歯科医院でのクリーニングや着色取りの治療を受けることをおすすめします。

タバコのヤニをつきにくくするためには

禁煙が着色の予防、身体の健康に一番有効ですが、すぐには難しい方も多いかと思います。

近年はタールの配合量が少ないタバコや電子タバコが注目されていますが、どちらもタールが含まれているため、有害物質を吸い込んでいることに変わりはありません。

そのため、歯への着色も避けることは難しいでしょう。

タバコを吸った直後に口をゆすぐ、歯を磨くようにするとお口の中に残っている煙からタールが歯に付着することを多少ですが防ぐことができるかもしれません。
また、ホワイトニング効果をうたっている歯磨き粉を使用することで、歯の表面のタールをある程度除去することができます。
ご自身で無理に着色を落とそうとして歯の表面に傷を付けてしまうと、再度着色がしやすくなります。
まずは歯科医院で着色除去のクリーニングを受けてみてはいかがでしょうか。

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