ホワイトニングとは、「歯を白くする処置」の総称です。
ホワイトニングの分類は、歯を磨いたり、削って被せたりなどの機械的手法と、薬剤を使って歯を白くする化学的手法の2つに分かれます。
現在では、通常「ホワイトニング」といえばこの薬剤による化学的手法を指します。
ホワイトニングの分類
機械的手法
0、ブラッシング | ホワイトニング歯材を使用してブラッシング |
1、PMTC | 歯のクリーニング |
2、コーティング | 歯のマニキュア |
3、べニア | レジンダイレクトボンディング (ネイルでいうとジェルネイルのようなもの) |
ラミネートべニア (ネイルでいうとつけ爪のようなもの) |
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4、セラミッククラウン | いわゆるかぶせ物 |
化学的手法
1、オフィスホワイトニング | |
2、ホームホワイトニング | |
3、デュアルホワイトニング | |
4、ウォーキングブリーチ | 神経が死んでいる歯に行うもの |
今回は、この化学的手法についてお話します。
歯を白くするホワイトニングには、3つの方法があります。
- 自宅で行うマウスピースタイプのホームホワイトニング
- 歯科医院やホワイトニングサロンで行われるオフィスホワイトニング
- 歯科医院で行うウォーキングブリーチ
ホームホワイトニング
歯列全体を覆うマウスピースタイプのカスタムトレーにホワイトニングの薬剤を入れ、一定の時間歯にカパっとかぶせて歯を白くする方法です。
ふきんなどの繊維をつけ置きして白くするのにイメージは似ています。
ホームホワイトニングの利点
- 自宅で気軽に行える
- 自然な白さになる
- オフィスホワイトニングに比べて歯の白さが後戻りしにくい
- 好きな時間にホワイトニングできる
- 光線過敏症の人でもホワイトニングが可能である
ホームホワイトニングの欠点
- オフィスホワイトニングに比べて歯が白くなるのに時間がかかる
- インパクトのある白さになりにくい
- マウスピースから漏れるホワイトニング剤の味が気になる場合がある
- 自分で施術しないといけない
オフィスホワイトニング
歯科医院等の専門機関で、チェアーに横になり歯科医、もしくは歯科衛生士により行う方法です。
歯に薬剤を塗布し、時には光やレーザーなどの照射を付加するなどしてこれを数回繰り返す方法です。
オフィスホワイトニングの利点
- 高濃度の薬剤で一気に歯を白くすることができる
- ホームホワイトニングに比べて1回で施術前より白くなる
(※治療結果は患者様によって個人差があります。) - 満足感が得られやすい
オフィスホワイトニングの欠点
- 施術中や施術後に歯がしみたり痛みが出る場合がある
- ホームホワイトニングに比べて後戻りしやすい
- チェアタイムが長い
ウォーキングブリーチ
前歯を虫歯や打撲などの理由で神経が死んでしまい、その歯のみが変色してしまった場合にほかの歯と色を合わせる方法です。
神経が死んでしまった歯が変色するのは、歯の中にある血液中の鉄分が変色したことが原因です。したがって、歯の表面からのホワイトニングでは効果が薄いので、歯の中にアプローチして白くします。
変色してしまった歯の裏側に穴をあけ、薬剤を入れて歯の内側から白くします。歯の中から白くするのはこのウォーキングブリーチのみで、歯科医院で行われます。
ウォーキングブリーチの利点
- 神経が死んだ歯に対する唯一の治療法であること
ウォーキングブリーチの欠点
- 歯科医院でしかできない
- 高額になる場合がある
- 歯が弱くなるので補強したほうが良い場合がある
最近のホワイトニング傾向
より白く、よりきれいに、そして長持ちさせる目的でオフィスホワイトニングのあとにホームホワイトニングを行う、いわゆるデュアルホワイトニングを行う傾向にあります。
オフィスホワイトニングは表層のエナメル質を白くすることが得意で、ホームホワイトニングは2層目の象牙質のホワイトニングが得意です。また、ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングの色の後戻りを防ぐ役割(これをタッチアップホワイトニングといいます)もあるので、より白く自然な白さが期待できるのです。
※タッチアップホワイトニング
ホワイトニング効果の維持のため、再度ホワイトニングを行うことをタッチアップホワイトニングといいます。
オフィスホワイトニングの後、オフィスホワイトニングを再度行うかもしくはホームホワイトニングを行い、白さを維持することです。
ホワイトニングに適さない歯
ホワイトニングはすべての方、すべての歯に適しているわけではありません。適していない方、適していない歯にホワイトニング施術を行うことは、歯を痛め、最悪の場合、人体に障害を起こしかねません。
下記のような方、歯はホワイトニングを避けた方が良いでしょう。
ホワイトニングに適さない人
- 無カタラーゼ症の方
- 妊娠中や授乳中の方
- 光線過敏症の方
- 小児(若年者)
ホワイトニングに適さない歯
- エナメル質に深いヒビが入っている方
- エナメル質や象牙質の生成が不良の方
- 金属の詰め物などによって変色した歯
- 重度のテトラサイクリンテトラサイクリン歯
歯の表面には、ペクリルというたんぱく質でできたコーティング剤で守られています。(ぺクリルは唾液由来です。)
ホワイトニングはこのペクリルを除去してしまいます。(時間とともに徐々にペクリルが歯をコーティングし始めます)
この除去された状況は、歯が着色しやすくなります。そして酸性物質に弱くなり、歯が溶けやすくなります。
したがって、コーヒー・紅茶・お茶・コーラ・赤ワイン・ケチャップなどは歯に色がつきやすいです。また、カレー・キムチなどの食べ物も要注意です。
しかしながら、すべての着色物を避けて食事をすることなど不可能です。また、ストレスも大きくなってしまうかもしれません。
「なるべく摂らないように心掛けるくらいで良いと思われます。また、色素の強い食べ物を摂ったすぐ後にリンゴなども歯の色を綺麗にしやすい食べ物を摂ったりすぐにうがいをする、もしくは歯を磨くなどの事を行うと良いでしょう。
ホワイトニングは何故した方が良いのか?
歯を白くすることによって、人に与える影響は?
清潔感、元気なイメージ、つまり若い方は女子力、男子力が上がるかもしれませんね!
また、熟年層には若々しく見える、つまりアンチエイジングの効果を期待し、ホワイトニングを受けられる方もいらっしゃいます。
「歯が白い」「歯がきれい」「歯並びが美しい」というものは個人のイメージを良い方向に押し上げてくれるでしょう。
白い歯でよりさわやかな笑顔を!
※治療結果は患者様によって個人差があります。