今あなたの歯は、上の歯と下の歯がくっついている?それともくっついていない?
食べたり飲んだり喋ったりしている時ではなく、何もせず普通に口を閉じているとき、お口の中はどうなっているのが正解なのか知っていますか?
何もしていない時の、お口の中の正しい位置とは
くちびるは自然に閉じ、あごの力を抜いたリラックスした状態で、上の歯と下の歯は自然に離れます。そして舌は歯には触らず、舌先が前歯の後ろの上あごにピッタリとフィットします。
これが何もせず口を閉じている時の、お口の中の「正しい位置」です。
上下の歯がくっついていたり、舌で前歯を押していたり、くちびるに余計な力が入っていたりしていませんか?
上下の歯がくっついていると、どんな影響がある?
歯を噛み合わせるときには、必ずあごを支える筋肉が動きます。上の歯と下の歯が触っているだけの状態でも、あごの筋肉には意外に力がはいっています。
また、歯の周りには「歯根膜(しこんまく)」という組織があり、ここで食感などを感じ取っていますが、この歯根膜は非常に敏感で、髪の毛1本を噛んだだけでもその感触をとらえます。そのため、グッと噛みしめているわけではなくても、上下の歯が軽く接触しているだけで、歯根膜には刺激となって伝わってしまいます。
いつも上下の歯がくっついているクセがあると、歯やその周りの組織と筋肉が、常に緊張・興奮状態にさらされてしまうのです。
そして緊張状態が続き疲労がたまってくると、顎関節症の症状や噛み合わせの悪化が起きるだけでなく、歯が傷みやすくなり、欠けてしまったり、詰め物が外れやすくなったりといった影響が出てきます。
そのトラブル、歯を離したら良くなるかも?
上下の歯を接触させる癖を歯科の専門用語で、”TCH(Tooth Contacting Habit)”といいます。顎関節症や噛み合わせに悩んでいる人には、この上下の歯を無意識に接触させるTCHのみられる人が多いようです。
歯を治療した後の詰め物や被せ物が壊れやすいといった方や、噛み合わせの違和感が続くとき、歯周病の治療をしてもなかなか症状が改善しないという場合、このクセがある可能性があります。無意識で行っているため、この癖は中々治りません。
もし無意識に上下の歯を噛み合わせているように感じている方は、テレビを見ているとき、パソコンやスマホを見ているとき、読書をしているときなど、ちょっと思い出して、あごの力を抜いて上下の歯を離すように心がけてみてください。
食事以外のときは、歯もリラックスさせてあげましょう!
※治療結果は患者様によって個人差があります。