失った歯を補うために
もしあなたの大事な歯が1本失ってしまったらどうしますか？歯医者さんに行くと失ってしまった歯を補うために、部分入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療法を提案され、治療方法をご自身で選ぶことになります。それぞれ見た目だけでなく機能や費用も大きく違うので悩む方も多いのではないでしょうか。
「入れ歯」はお年寄りが使うイメージをお持ちではありませんか？
自分はまだ若いから入れ歯を使うのは早いと言う方もいるかもしれません。若い方にとって、入れ歯を選択することは審美的な面で大きなデメリットに感じる方が多いでしょう。年齢に関係なく部分入れ歯は、いくつかのメリットと留意点があります。
部分入れ歯のメリットは、インプラントやブリッジと違い、いつでも取り外しができるということです。デメリットに近いかもしれませんが、毎日歯をブラッシングするのと同じように、入れ歯用の義歯ブラシや入れ歯洗浄剤などを使用して入れ歯に付着した汚れを取り除いて管理する必要があります。入れ歯の掃除をすることで、入れ歯とお口の中を清潔に保つことができます。
インプラント治療では、外科手術を伴うためどうしても身体への負担がかかります。また、インプラントが骨に定着するために、数ヶ月待機しなければなりません。部分入れ歯は手術を行わないので比較的治療期間も短くなります。
また、ブリッジは歯が無い箇所が多かったり、部位によってはブリッジが公的医療保険上などの理由で適用できない場合もあります。最大のデメリットとして、両隣の歯を大きく削る必要性がある点です。
反対に入れ歯にはメリットだけではなく、普段の管理以外にデメリット（留意点）があります。インプラントやブリッジに比べて噛む力が弱くなることです。硬いものが思うように噛むことができなく外れたり、入れ歯が折れる場合もあります。支えとなる歯がぐらぐら揺れる状態や傾いている場合は、部分入れ歯が適用できないこともあります。
部分入れ歯の種類について
部分入れ歯の種類は、公的医療保険が適用されるものと、自由診療のものに分かれています。ここでは、公的医療保険が適用される従来の部分入れ歯と自由診療でつくる天然の歯のように審美性が高い部分入れ歯をご紹介します。
公的医療保険が適用される部分入れ歯
公的医療保険が適用される部分入れ歯は、金属のバネ（クラスプ）がついているのが特徴です。金属のバネを残っている歯の周りに引っ掛けて入れ歯を固定します。失った歯の本数や歯の位置によってバネを掛ける歯が異なります。
前歯に部分入れ歯を装着する場合は、金属部分が目立ってしまう場合もあります。歯を失うとその部分で食べ物を噛むことはできませんが、部分入れ歯があれば噛む機能の役割を果たしてくれます。
お口の中は日々変化が伴います。長年同じ部分入れ歯を使い続けていると入れ歯がゆるくなり上手く適合しなくなります。部分入れ歯が破損してしまったり、硬いものが噛めなくなったり、入れ歯が歯茎にあたって痛みが出る場合もあります。
このようなトラブルがありましたら、我慢して使い続けないでください。歯医者さんに入れ歯の使い具合や悩みを伝えて修理してもらいましょう。基本的に歯科医師と歯科技工士が連携して患者さん一人ひとりのお口に合う入れ歯を作製しています。入れ歯は何度も調整を重ねていくものですので、作製した後は、定期的に歯医者さんを受診することこをおすすめします。
費用目安：上下のどちらか作製する場合、5,000円～15,000程度（3割負担）
自由診療の部分入れ歯
部分入れ歯で見た目の美しさを期待する方は、自由診療の部分入れ歯をおすすめします。自由診療の部分入れ歯は、従来の部分入れ歯よりも費用は高くなりますがその分素材にこだわっているため自然な仕上がりになります。
自由診療の部分入れ歯はさまざまな素材を使用できるので種類はいくつもあり、歯医者さんで対応している入れ歯も異なります。お口の中の状態によっても適応する部分入れ歯が変わってきますので診断を行います。
今回は2種類の部分入れ歯をご紹介します。
ノンクラスプデンチャー
金属のバネがない部分入れ歯で、金属を使わずに樹脂のみで作製しています。金属アレルギーをお持ちの方はもちろん、前歯の部分入れ歯でも金属のバネが見える心配はありません。
留意点は、残っている歯の本数や状態によっては適応しない場合があります。
シリコーンデンチャー
生体用のシリコーンで作製した部分入れ歯で歯茎を覆う部分が柔らかいのが特徴です。柔らかいシリコーン部分は、歯茎と入れ歯の間にあたるため、入れ歯が歯ぐきにあたる際の痛みを和らげます。また、シリコーン部分が吸着するため入れ歯がズレたり外れるのを防ぐことが期待できます。
留意点は、シリコーンに汚れが付着しやく、長期間使用しているとシリコーン部が劣化する場合などがあります。
このように、自由診療の部分入れ歯の種類には審美性や機能性が高いものがあります。歯医者さんでご自身の口腔状況を診てもらい、ご自身に合った部分入れ歯を使うことをおすすめします。
※治療結果は患者さんによって個人差がございます。
