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とくめいさん(長崎県)の相談

カテゴリ:テトラサイクリン

重度のテトラサイクリン歯です。ホームホワイトニング、FAPホワイトニングを試しましたが、ほとんど効果はありませんでした。
ネットで調べていると、ダイレクトボンディンングによる治療例をいくつか見つけました。
「ナノテクノロジーによるコンポジットレジンの性質向上により、以前よりも確実性の高い治療法となった」「アメリカではリスクの少ない治療選択肢として現在人気が高くなっている」等の説明があり、治療後の写真はラミネートベニアと遜色ないように見えますが、まだ一般的ではないのでしょうか。

欠点として、部分的に剥がれてしまうことがあると補足されていますが、ラミネートベニアに比べそんなに剥がれやすいのでしょうか。
患者側からすると、簡単に修復できるのであれば、ラミネートベニアより経済的でメンテナンスが楽だと思うのですが。

こんにちは。
テトラサイクリンに関するご質問ということですが、まずこのお話は実際貴方を拝見しているわけではないのでそれを前提に話を理解してください。

まず、ホームホワイトニングでもテトラサイクリンによる歯牙変色が改善しなかった云々の部分に関してですが、それがホームホワイトニングの貴方における“限界”なのかも知れません。

であれば、当然それ以外の方法を模索されるのは当然のことと思います。

そこで調べた結果が『ダイレクトボンディング』であるということで、それでテトラサイクリンにより変色した歯のマスキングができるか?という趣旨のご質問だと心得てご回答差し上げるとしたら、残念ながら貴方のご希望に沿った解決は困難だと思います。

この治療方法は貴方の歯の色調の影響をもろに受けるからです。
また、ダイレクトボンディングで歯を全く削らずに詰めることは不可能です。
結果歯は、元の形態から著しく逸脱した形態になるでしょう。
いわゆるオーバーカントゥアになります。すると食物の流れが悪くなり歯肉炎が起きるでしょう。治療したために不健康になってしまいます。

また、ダイレクトボンディングと言われる治療方法はいわゆるレジン充填です。
レジンの特徴として経時的な劣化、腐食、変色は避けられない問題としてあります。
予後は平均で3~8年です。
それも考慮しなければならないことでしょう。
一般的ではある治療方法ですが、テトラサイクリンの変色隠しには一般的でないという答えになります。

また、貴方が少しふれられているラミネートべニアでも変色歯のマスキングは不可能です。
べニアもあなたの歯の色の影響をもろに受けます。

この二つの方法は、コンタクトレンズを接着剤で歯につける方法だとイメージしてください。薄い板では変色は隠せないのです。

強度はべニアの方が強いでしょう。
剥がれやすいということはないと思いますが、これも咬合や残存エナメル質の量などの条件によって左右されるので貴方を見てない私には、何とも言えません。
もし、完全に変色を隠したい、色を改善したいとお考えならば残念ながらオールセラミッククラウンか、PFMクラウンのいずれかになってしまうでしょう。
しかし、その場合歯を多く削る必要があり、またその結果、もしくは術前の診断結果として、抜髄(歯の神経を取る)→根管治療→ポストコア装着という治療が必要になる可能性も充分にあると思います。

いずれにせよ重要なのは、貴方が何をゴールに目指しているかということではないでしょうか。

審美的なことが第1なのか。自分の歯を極力保存したことが第1なのか。前者なら歯の健康を損なってでも審美を得る必要があるでしょう。後者ならば審美面は妥協しなければなりません。

難しい問題だと思いますが、これが私のご質問に対するお答えです。
参考になれば幸いです。



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